愛飲運動のこころ
勝沼にはすごい風習がある。晩酌はかならずワイン、何か人が集る時にももちろんワイン。神に捧げる時も仏に拝む時もワインをあける。しかし、そんな風習も今ではめったに遭遇することはなくなってしまった。ワインに取って代わり「○○商店、おーい乾杯用のビール1ケース届けてくれ」「お神酒は菊☆でいいら」「とりあえずビール」「焼酎じゃ麦より芋ズラ」そんな会話がいたるところで。

明治32年水害に襲われた勝沼では傷などで出荷できないぶどう(クズ葡萄とはちがう)が大量に発生した。当時ワイン生産をしていた宮崎光太郎はそれらの出荷できないぶどうを農家から買い上げた。すると農家から「われわれぶどう栽培者は冠婚葬祭、晩酌を含めてワインに切り替えます」という感謝状とともにワイン愛飲運動がはじまった。

それ以来勝沼では祝儀、不祝儀、寄り合い、根回し、選挙、そういった集まりには必ず茶碗で一升瓶ワインを飲む光景が見られたらしい。

こんな運動をしてしまうところ、これこそが先人達の意気込みであり勝沼が勝沼たる由縁ではないか。感謝の心その気持ちを行動に移してしまう実行力これこそが勝沼人の魅力と誇りかも。

「通夜は近親者のみで」「自治公民館活動」こんな運動や活動もすっかり定着してしまうのもまさしく勝沼なんだろうなあ。お互いが感謝の気持ちを持って、よいと思ったことはすぐに実行に移す、この精神はしっかりと勝沼づくりかつぬま朝市にも宿っている。しかも地元の住民だけではない、町民市民にかかわらずこの心を持っている。と思う。手前味噌に落ち着いてしまってすいません。