かつぬま朝市ワインセミナーレポート by篠原
かつぬま朝市ワインセミナーレポート
第37回    2010.11.07



参加者
県外21名  県内3名  計24名

講師
大山ソムリエ、篠原シニアワインエキスパート

アシスタント
のぶ子さん

ゲスト
盛田甲州ワイナリー(株)   村田様 矢崎様



ワインリスト
1 新酒 デラウエアー2010 一升瓶  麻屋葡萄酒(株)
2 新酒 甲州 2010     盛田甲州ワイナリー(株)
3 新酒 ベリーA 2010   盛田甲州ワイナリー(株)
4 ベリーAヴィンテージ2006  勝沼醸造(株)   

料理
1 カリフラワーのピクルス
2 お刺身こんにゃく+甘味噌
3 フルーツのヨーグルトサラダ ぶどうジャム添え 
4 パン+ディップ
5 ぶどう(甲州)

セミナーの内容
1 甲州ぶどうのお話
2 甲州種ワインのお話
3 ワインテイスティング
4 盛田甲州ワイナリー様のお話
5 プチワインツーリズム  シャンモリワイン訪問

レポート
晩秋の勝沼は、美しい赤・橙・黄色・黄緑など、いろいろな色に塗り分けられ、まるでパッチワークのようです。色の違いは、ぶどうの品種の違いです。心配した我が家の甲州ぶどうも、10月20日に収穫して、無事にワイナリーに届けられました。何日もかけて摘粒作業を行い、本当に良い粒だけを出荷しました。まさに「粒選り」ですね。出来上がって来るワインが楽しみです。

今日の朝市会場は、いつにも増してざわめいて、早々から大勢のお客様で賑わっています。それもそのはず、今回はワインツーリズムとコラボなので、さすがのこの広い会場も人と車で溢れんばかりです。本当に有難いことです。

我がワインセミナーは、いつも通りに開催しましたが、今回も大盛況で、皆さん肩寄せ合って座っていただく程でした。6人とか7人のグループで初めて参加された方や、すっかり顔なじみになった3回目・4回目のリピーターの方なども来てくださって嬉しい限りです。

大山ソムリエも、何回も来てくださる方々に、いつも同じ話ばかりでは失礼と、更に新しい情報や、深い内容のお話をサービスします。「時間が足りないヨー」と「巻き」を入れる私。これがいつものパターンになってしまいました。

11月3日は山梨県産ヌーヴォーワインの解禁日。当セミナーも、もちろん新酒をご用意しました。

まず最初は、「新酒 デラウエアー 2010」の一升瓶(麻屋葡萄酒)です。デラウエアーぶどうそのものの甘い香り、豊かなぶどうの果実味が優しい酸を包んで更にフルーティーな味わいになった、非常にさわやかな甘口タイプのワインです。今日のようなお祭り広場で、大勢で楽しく飲むにはもってこいのワインです。ひとしきり、おつまみをつまみながら「新酒デラウエアー」を味わった後は、本日のゲスト「盛田勝沼ワイナリー」(シャンモリワイン)さんの登場です。

今日は、ワインツーリズムでお忙しい中を、村田さんと矢崎さんがやって来てくださいました。「シャンモリワイン」の最初は、「新酒 甲州 2010」です。

可愛らしい、グリーンのスリガラスのボトルにスクリューキャップ、見るからに初々しい感じがして、早く飲んでみたいという気持ちをそそります。透明に近い淡いライムグリーンの色、グレープフルーツや青リンゴなどの香り、口に含んだ途端にフレッシュな果実味が広がります。さわやかな酸と、果実味、ミネラルのバランスが良く、アフターにかすかな甘さを感じる、フルーティーなやや辛口のワインです。

引き続いて、「新酒マスカットベリーA」です。

やや紫がかった淡目のルビー色。マスカットベリーA由来の甘い香り。フレッシュな果実味、優しい酸、軽いタンニンがヌーヴォーワインらしい溌剌さを感じさせます。このワインが熟成された時どんなワインに変わるだろうか、と想像しながら飲むのも楽しいです。

ゲストのシャンモリさんの造り手の思いや、頑張りを聞きながら、「悪条件に悩まされた今年のぶどうから、こんなに美味しいフレッシュなワインを造ってくれてありがとう」という声が聞かれました。また、参加者の皆さんは、とても熱心にゲストのお二人に質問され、ヌーヴォーワインの醸造法(MC法)や会社の由来なども聞くことができました。

*MC法 (マセラシオン・カルボニック法)
フランスのボジョレー地方で、ヌーヴォーワインを造るのに用いられる醸造法。密閉タンクの中に、収穫したぶどうの粒を破砕せずに詰め込むと、ぶどうが自分の重さで潰れ、発酵を始める。発酵によって生じた炭酸ガスの中に数日間置いておくと、ぶどうの果皮から果実の香りや色素が、出やすくなるという醸造法。このぶどうを圧搾し、白ワインと同様に発酵させると、非常にフルーティーな香りとなり色つきも良く、渋みの少ないフレッシュな味わいのワインが得られる。

最後に、当ワインセミナーのハウスワイン、ヴィンテージベリーA2006と先程の新酒ベリーA2010との比較試飲をして、熟成による色や味わいの違いを実感しました。

テイスティング終了後、本日は、シャンモリワインさんのご好意により、ぶどう畑と工場見学、ワインの試飲と、とても楽しいプチワインツーリズムをさせていただきました。参加者の皆さんは、今しか味わえない発酵途中の「にごりワイン」も飲ませていただき、とてもラッキーでした。シャンモリワインさん、本当に有難うございました。
 2010年のかつぬま朝市ワインセミナーも、今月をもって冬休みに入ります。

次回は2011年4月の開催となります。大山ソムリエをはじめ、朝市会の高安会長、小澤さん、坂本さん、また、出店者の皆様、アシスタントののぶ子さん、ゲストのワイナリーの皆様、そして何よりも参加してくださった大勢のワイン好きの皆様、本当に有難うございました。来春、熟成されて増々美味しくなったワインを持って、また皆様とお会いしたいと思います。それまでお元気で。

楽しいワインライフをお過ごしくださいね。