かつぬま朝市ワインセミナーレポート by 篠原シニアエキスパート








第39回
2011.06.05


参加者 県外6名、県内4名  計10名

講師
大山シニアソムリエ
篠原シニアワインエキスパート

ワインリスト
1 香り甲州 辛口2010大泉葡萄酒(株)
2 ますかっとベリーA プチキュベ (株)ダイヤモンド酒造
3 アジロン ロゼ 甘口 蒼龍葡萄酒(株) 



料理
1 ピクルス
2 お刺身こんにゃく+甘味噌
3 ジャガイモのディップ+細パン
4 ドライソーセージ+ルバーブジャム
5 クラッカー

セミナーの内容
1 甲州ぶどうのお話
2 甲州種ワインのお話
3 ワインテイスティング
4 白・赤・ロゼワインの造り方と味わいについて


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レポート
今年の梅雨入りは5月27日でしたが、平年より10日以上も早かったそうです。でも連日の雨続きではなく曇りや晴れ間があったりして、農作業をする者にとっては有難いお天気です。我が家の甲州ぶどうも房の長さが10p以上に大きくなり花が咲き始めました。去年より芽の伸びや房の付き方が良く、今後が楽しみです。

今日の朝市は、本当にたくさんのお店とお客様でごった返しています。6月の我がワインセミナーは、前回お休みした大山ソムリエが、なんと見事に「日本ソムリエ協会」の「シニア試験」に合格され、大山「シニアソムリエ」になって帰ってきてくれました。記念に素敵なフラワーアレンジメントをプレゼントして、参加者の皆さんと一緒にお祝いしました。



早速セミナーの開始です。先ずいつものように初参加の方の為に「甲州ぶどうのお話」と「甲州種ワインのお話」を、私篠原が勝沼の歴史や景色と関連づけておはなししました。                           
引き続いて、大山シニアソムリエによるワインテイスティングです。ユーモアたっぷりにテイスティングの方法を練習した後は、本日のメインテーマの「ワインの造り方と味わいについて」です。ワインは白赤ロゼの3種類。      


最初の白ワインは、「香り甲州 辛口 2010」です。国産ワインコンクールで入賞経歴のある、大泉葡萄酒(株)の代表的なワインです。ワイン名のとおり、  
柑橘系の香りや白桃・かりん・洋梨などの香りが華やかに立ち上がってきます。



この豊かな香りを出す為には、原料となる甲州ぶどうの栽培方法にその秘密があるのです。それは、ぶどうの栽培時に欠かせないボルドー液(生石灰と硫酸銅の水溶液で、べと病や晩腐病に有効)を使用しないことと、従来の収穫時期より少し早め(香りが最高に出る時)に収穫するなどです。また、発酵の際用いられる酵母にも工夫があるそうです。こうして引き出された華やかな香りと、たっぷりの果実味、まろやかな酸が調和して、バランスのとれた芳醇な味わいの辛口白ワインとなっています。



2番目のワインは、「ますかっとベリーA プチキュベ」です。ダイヤモンド酒造さんが、北杜市穂坂地区にある契約農家のマスカットベリーAから造ったワインです。ブルーベリー・ブラックッベリー・キャンディー・バニラなど香りのボリュームも充分です。酸と果実味のバランスも良く、また旨味のあるタンニンがしっかりとした骨格を作っている凝縮感のある落ち着いたあじわいの赤ワインです。

最後のワインは、「アジロン ロゼ 甘口 蒼龍葡萄酒(株)」です。幻のぶどうと言われる、アジロンダック種から造られたロゼワインで、色はロゼとしてはやや濃いめのローズピンクです。なんとなく大人の女性をイメージさせます。




香りは、第一アロマ(ぶどうそのものからくる香り)が非常に華やかで、まるでイチゴをかじっているかの様な甘い香りがいっぱいです。甘口ですがさわやかで、リッチな感じのデザートワインとして飲みたいロゼワインです。     

本日のおつまみとの相性は、
香り甲州= ピクルス、お刺身こんにゃく+甘味噌
ますかっとベリーA = ジャガイモのディップ、ドライソーセージ
アジロン ロゼ = ルバーブのジャム、ドラフルーツ
などが好評でした。



特に、ジャガイモのディップは、前回に引き続きこのセミナーに参加されたイタリアンシェフのN村さんが作ってくださったおつまみです。マスカットベリーAにピッタンコでした) このワインセミナーに参加したのがきっかけで、イタリアンレストランをまかされる事になったN村シェフを、9月1日のレストランのオープンに向けて、応援していきたいとおもいます。



大山ソムリエからワインの造り方を教えていただいていた時の事です。丁度グッドタイミングで、なんとなんと蒼龍葡萄酒(株)の鈴木社長がこのセミナーのテントを訪れてくださったのです。早速本日のテイスティングワインの「アジロン ロゼ 甘口」の醸造方法についてお話していただきました。先ずアジロンのぶどうを除梗(ぶどうを軸からはずす)、破砕(つぶす)後、10日間皮や種と一緒に漬け込んでおきます(マセラシオン=かもし)。その途中で一部果汁をタンクから抜き取り、タンク内の果汁の量を減らして更に色を濃くする方法(セニエ法という)でこの美しいローズピンクの色を出したそうです。この果汁を発酵させてロゼワインが造られました。ワイナリーの方が朝市に買い物に来て、このワインセミナーを気にかけてのぞいてくださる。本当に有難いですね。ワイナリーさん是非是非出かけて来てください。お待ちしています。参加者の皆さんもとっても得した気分になったと思います。




「東名高速が渋滞で遅れます。」と連絡があった名古屋からの5人組さんも、どうやら間に合ってホットしました。今回は特別に終了時間を少し延長して、皆様にたっぷりとくつろいでもらいながら、白・赤・ロゼの色違いのワインを楽しんでいただきました。それでは次回もお楽しみに。