かつぬま朝市ワインセミナーレポート by篠原シニアワインエキスパート




第42回 2011.09.04    

参加者 県外5名  県内4名  計9名
講師  篠原シニアワインエキスパート
ゲスト  シャトージュン(株) 仁林様

ワインリスト
1 シャトージュン セミヨン 2010     シヤトージュン(株)
2 シャトージュン セレクト ブラン2010(甲州)   〃
3 シャトージュン セレクト ルージュ(メルロー他) 〃




料理
1 お刺身こんにゃく+甘味噌
2 カナッペ(ドライフルーツ)
3 漬物スティック
4 クラッカー+ディップ
5 ぶどう(ふじみのり)

セミナーの内容
1 甲州ぶどうのお話
2 甲州種ワインのお話
3 ワインテイスティングの方法
4 シャトージュン(株)仁林様のお話




レポート

9月に入り残暑というのは名ばかり。連続台風11号、12号の来襲により全国各地に大雨の被害をもたらしました。幸いにも勝沼は一時的に大雨が降りましたが、風雨の被害は少なくて済んだようです。  


我が家の甲州ぶどうも着色が進んできました。去年のベト病を考えれば、今年は大分良い出来になっています。今後晴天つづきを期待したいものです。                     
さて、本日のワインセミナーは、台風の影響でJRの運行が乱れたり、中央高速も通行止めになったりで、予約の方の参加が危ぶまれましたが、定刻には全員のお顔がそろいました。中止しないで良かった。本当に嬉しかったです。

早速スタートです。都合により大山ソムリエが来られなくなり、ちょっぴりさみしいですが、嵐をおして参加された皆様から元気を貰いました。先ず私篠原が、初参加の方々のために、甲州ぶどうと甲州種ワインのお話をして、皆さんをワインの世界へいざないます。ひき続きお待ちかねのワインテイスティングです。テイスティングの方法を簡単に練習した後、シャトージュン(株)の仁林さんにワインについてお話いただきました。



最初のワインは「シャトージュン セミヨン2010」です。このワインは前々回第40回で試飲したワインなので、テイスティングコメントは略しますが、篠原一押しのワインです。勝沼では珍しいこのセミヨンという品種のワインを、仁林さんが造り始めたのは、ある偶然からでした。6年程前の事、知り合いのワイナリーから、生産調整の為原料ぶどうが残ってしまったので使ってみないかと話を持ちかけられ、それではと造ったのがこのセミヨンだったそうです。



造ってみると、思いのほか香りも華やかに立ち上がり、味わいにも凝縮感があり、何よりも長期熟成すると更に素晴らしいワインになることに魅力を感じたそうです。「長く熟成させると、ワイナリーは大変ですがね」といってニッコリ笑われました。このセミヨンには春の山野草のほろ苦さがよく合いますが、夏野菜ではピーマンの炒め物とか、ひき肉詰めなどがおすすめです。       

2番目のワインは、「シャトージュン セレクト ブラン2010」です。私達の  
日常の食卓には、お砂糖やみりんなどを使ったお料理がよく並びますが、それらをはじめ幅広いお料理に合わせられると、仁林さんおすすめのやや甘口の甲州種ワインです。一日の終わり、特に疲れた時にこのワインを飲むとホッとして心が安まります。この「セレクト ブラン2010」は、本年度の「国産ワインコンクール」で見事銀賞を受賞したワインです。おめでとうございます。(拍手パチパチパチ)

3番目のワインは、「シャトージュン セレクト ルージュ」ノンヴィンテージです。このワインは、数種類のプレミアムクラスに使用したワインの一部をアッサンブラージュ(ブレンド・調合)して造られたワインで、ぶどうの品種やブレンドの割合は毎年違うそうです。アッサンブラージュにより新しく生まれるワインとの出会いがとても楽しみだそうです。


今回試飲したワインは、メルロー40% マスカットベリーA40% プチベルド10% カベルネソービニヨン10%となっています。 この「セレクト ルージュ」製造年違いを比較試飲してみると、アッサンブラージュの割合によって味わいの違いが感じられてきっと楽しいと思います。

仁林さんのお話の後、今日はもう一つ大切な情報を皆様にお話ししました。




それは、「甲州市原産地呼称ワイン認証制度」の説明です。2010年に収穫されたぶどうから造られたワインから適用され、昨日、2011年9月3日に第1回の認証式が行われ公開テイスティングがされました。私も参加して6種類の白ワインを味わったところですが、さすがに甲州市が保障するワイン達、それぞれの品種や畑の個性が表れた素晴らしいワインでした。実はこの6種類の白ワインのうち、なんと2種類がシャトージュンさんのワインだったのです。「シャルドネ2010」と今回テイスティングした「セミヨン2010」です。仁林さんのワインにかける意気込みが感じられますね。ワインの原料であるぶどうの収穫地を明確にして、その味わいと共に安心しておいしいワインを甲州市が保障するこの制度を、私たち消費者は大いに活用したいものです。この秋には赤の認証ワインも誕生しますので楽しみです。


きょうは、台風の影響が残る中、朝5時起きでやって来てくれた方もいらしたそうです。ありがとうございました。




ゲストのシャトージュン(株)仁林様には、かつぬま朝市で一番早くからお世話になったワイナリーさんで、今回このワインセミナーにようやくお迎え出来て本当に嬉しかったです。

益々おいしいワインを造られますよう期待しています。本日は皆様、ホントにホントにありがとうございました。