かつぬま朝市ワインセミナーレポート by篠原


かつぬま朝市ワインセミナーレポート
第51回 2012.10.07


参加者
県外26名 県内0名 計26名

講師  大山シニアソムリエ・篠原シニアワインエキスパート

アシスタント   のぶ子さん

ワインリスト  


1 新酒デラウエア 2012 (株)シャトレーゼ ベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリー
2 勝沼甲州 シュール・リー 2011    〃
3 勝沼甲州 樽発酵 2010        〃
4 マスカット ベリーA 樽貯蔵 2011  〃



料理
1 ミニ田楽
2 カナッペ
3 ピクルス+イカのくんせい
4 ドライフルーツ

セミナーの内容
1 甲州ぶどうのお話
2 甲州種ワインのお話
3 ワインテイスティング
4 シャトレーゼ 勝沼ワイナリー 工場長 戸澤様のお話



レポート

実りの秋。10月の朝市は、勝沼の一大イベント「ぶどうまつり」の翌日です。
前日からの宿泊客も含めて朝市会場は大賑わい。でもお天気の方がちょっぴりあ
やしくてときどき雨が・・・

我が家の甲州ぶどうも、夏の晴天つづきに支えられて非常に良い状態です。10月20日の収穫を待っています。今年はワイン用ぶどうは糖度が上がった上に大豊作で、平年の2割増しの量が見込まれ、どちらのワイナリーも大忙しです。ワインのふるさと勝沼が最も活気にあふれた時の朝市ワインセミナー、いよいよオープンです。



まず最初は、いつもの通り張り切りシニアソムリエ大山さんの登場です。

このセミナー初参加の方のための甲州ぶどうと甲州種ワインへのいざないです。毎回少しずつ内容を変えて話してくださるのでリピーターの方にも有難いです。このセミナーの後、大山さんのワイングループは、オリジナルワイン「百農民」の原料の甲州ぶどうの収穫があるということで、お話にも一段と熱が入ります。




そして、参加者が待ち望んでいたワインテイスティング。

テイスティングするワインは、本日のゲストのシャトレーゼさんが、がんばってガンバッテようやく昨日の「ぶどうまつり」に間に合わせてリリースした、「新酒デラウエア2012」です。ユーモアたっぷりの大山ソムリエのお話に誘われて、皆さんとても楽しそうに、アン、ドウ、トロワをしていました。

・「新酒 デラウエア 2012」 澄んだ、透明に近い淡いライムグリーン。
デラウエアのフレッシュな果実味と程良い酸で、軽快で優しい味わいの、やや甘口の白ワインです。気軽に飲めるタイプですので、女性の方に1番人気なのもうなずけます。                            

大山シニアソムリエのワインテイスティングの後は、いよいよ本日のゲストシャトレーゼ・ベルフォーレワイナリー 勝沼ワイナリーの戸澤様の登場です。


戸澤さんからは、ワイン造りを始めるきっかけとなったお話から、ワイナリーの立ち上げ、ワインにかける想いなどを語っていただきました。そして造り手によるワインの説明です。


・本日2番目になるワインは、今年の「国産ワインコンクール」で銀賞を受賞した「勝沼甲州シュール・リー 2011」です。甲州ぶどうの最適地といわれる、勝沼町鳥居平地区や菱山地区の自社畑のぶどうを醸造し、翌年5月までオリとともに寝かせておく、シュール・リー製法で造られた辛口白ワインです。グレープフルーツや青りんご、白いお花など華やかな香りが立ち上がり、複雑で旨味のある味わいを酸がきりっと引き締めているリッチなワインです。何といってもスクリューキャップが嬉しいですね。


・3番目のワインは、見事今年の国産ワインコンクールで栄えある金賞に輝いた「勝沼甲州樽発酵 2010」です。やはり勝沼町鳥居平地区・菱山地区の自社畑の甲州ぶどうを使い、樽発酵樽熟成をしています。2010年は原料ぶどうにとって困難な年であったにもかかわらず、手入れの行き届いたぶどうの粒のみを使用し、その年の最善の努力を尽くして造ったそうです。2010年で金賞受賞というのは、やはりワインの造り手の努力と技術の賜といえるでしょう。 


ぶどうの果実味と酸のバランスが非常に良く、樽によって香りや味わいがともにボリューム感が増してスケールの大きいワインになっていると思います。
造り手のお話を直接聞きながら、この素晴らしいワインを味わえるって、本当に幸せですね。



・最後のテイスティングワインは「ベリーA 2011」です。
紫がかった美しいルビー色。ストロベリーやチェリーなどの香り。たっぷりの果実味や酸、軽いタンニンや苦みなどが樽によって融合し、優しく、まろやかで複雑な味わいを出している。アフターフレーバーにぶどう由来の甘い香りがフワーとかすかに戻ってくるのが心地良い。
「いいですねー。」と声をかけると、「ベリーAはまだ沢山の可能性を秘めているので、もっともっと目標を高く持って、チャレンジしていきたい」と言葉が返ってきました。
 シャトレーゼ勝沼ワイナリーの設立時から関わってきている戸澤さん。



「ワイン造りはぶどう栽培から始まる。直接栽培に携わり、ぶどうが最高の状態の時にワインに仕込むのがモットー。」という。シャトレーゼさんは、勝沼近辺に自社畑を持ち、醸造ワインの70%は自社畑のぶどうを使用しているという。「自社のぶどうあってのワイナリーです。同じ事を繰り返すのではなく、毎年新しい事にチャレンジして、その時に出来る最善を尽くしたいと思っています。」



ワインを語る時の厳しい眼差しが、語り終えた瞬間に優しくほぐれて、人懐っこい笑顔に変わりました。


戸澤さん、1分も惜しいこの時期に、朝市ワインセミナーの為に時間をさいてくださって本当に有難うございました。参加者の皆さんも、きっと、おいしいワインと戸澤さんのトークにご満足いただけたとおもいます。

篠原