第53回かつぬま朝市ワインセミナーレポート 2013.04.07 参加者 県外8名 県内7名 計15名 講師 篠原シニアワインエキスパート アシスタント 深澤さん 尚江さん ゲスト メルシャン(株)真杉様 ワインリスト 1、ハラモ・デラウエアー 2012 原茂ワイン(株) 2、勝沼のあわ 2011 メルシャン(株) 3、シャトーメルシャン 甲州きいろ香2011 〃 4、メルシャン日本の地ワイン 山梨県国中地域収穫 マスカットベリーA 2009 メルシャン(株) おつまみ 1、お刺身こんにゃく 2、クラッカー+マスタード 3、チーズとノリのミルフィーユ 4、ころがき セミナーの内容 1、甲州ぶどうと甲州種ワインのお話 2、ワインテイスティングの方法 3、ワインを楽しむワンポイント 4、本日のゲスト メルシャン(株)真杉様のお話 レポート 春、桜の季節、2013年今シーズン最初のワインセミナーです。低気圧の影響で『大荒れ』の予報もなんのその、夢のような青空になりました。冬休み明けで久しぶりのワインセミナーにもかかわらず、大勢のお客様が来てくれました。 また、今まで毎回来てくださっていたボランティア講師の大山シニアソムリエですが、今回からしばらくの間、お仕事の関係で来られない時もあるということで、ちょっぴりさみしいですが、私篠原が頑張って皆様にワインの楽しさをお伝えしたいと思っています。 早速スタートです。いつものように、初めてこのセミナーに参加された方の為に「甲州ぶどうと甲州種ワインのお話」です。 今から約1300年あるいは830年も前と伝えられる昔から現在に至るまでずっとこの勝沼の地に生きつづいている甲州ぶどう。私達はこのワイン用品種から造られるおいしいワインと共に、甲州ぶどうの由来となる2つの伝説や甲州ぶどうの大切さを語り継いでいかなければと思っています。 引き続いて、ワインテイスティングの方法を練習しました。今シーズンの当ワインセミナーのハウスワインは『原茂ワイン』ですが、今回は「ハラモ・デラウエアー 2012」をテイスティングしました。 ややグリーンがかった淡いレモンイエロー。優しいアタック。豊かな果実味としっかりとした酸のバランスが絶妙で、甘酸っぱい味わいが口いっぱいに広がります。甘口の造りのワインですが、フレッシュでフルーティー、さわやかな味わいの白ワインです。 ワインがお口に入ってホッとしたところで、ちょっとお耳を拝借。今シーズンから、『ワインを楽しむワンポイント』と題して、シリーズでお話をしたいと思います。今回は、ワインを楽しむにはまず『ワインの種類を知る』ということです。 ワインは一般的には ・スティルワイン(非発泡ワイン)・・一般的な普通のワイン ・スパークリングワイン(発泡ワイン)・・勝沼のあわ(メルシャン)など ・フォーティーファイドワイン(酒精強化ワイン)・・周五郎のヴァン(グレイス)など ・フレーバードワイン(風味づけワイン)・・桜のワイン(ロリアン)など の4種類に分類されます。色々な種類のワインを味わってみるのも楽しみのひとつですね。 次はいよいよゲストの登場です。 本日のゲストは、メルシャン(株)の真杉さんです。 メルシャン(株)は、会社の歴史をみると、今から約130年程前の明治時代の初期に日本で初めて創られたワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」に遡ります。 日本ワインの黎明期に2人の青年が社命によりフランスへ留学し、フランスの本格的なワイン造りの技術を学んで持ち帰り、地元祝村(現在の勝沼町の一部)に広めました。その教えにより技術を学んだ地元の青年宮崎光太郎が、現在の宮光園の場所に宮崎醸造所を建設して、『甲州ぶどう』のワインを造り、それを商業ベースにのせ、現在の勝沼のワイン産業の礎を築きました。その後幾つかの変遷があり、その事業は、現在のメルシャン(株)へと引き継がれています。まさに日本の本格的なワイン造りの源流を受け継いでいる会社といえます。そして技術の面でも、「甲州シュールリー」や「甲州きいろ香」、「甲州グリ・ド・グリ」などなど、開発した技術を積極的に公開して、常に日本のワイン業界をリードしてきた会社です。 真杉さんはメルシャン(株)勤続25年以上の大ベテランで、現在シャトー・メルシャンビジターセンターでワインの販売とかテイスティングやワイナリーツアーの案内などの仕事をされています。今日のゲストにぴったりの方です。 今日は、当セミナーの為に何枚ものパネルを用意してきてくれました。 ワイン用品種である「甲州」の栽培からメルシャンさんで造られるワインの話まで、朝市にいながらワイナリーツアーの学習がしっかりとできました。 そうするとやはり現地を見てみたくなりますね。皆さんメルシャンさんへ行って実際に見学したり体験してくださると嬉しいです。 そして、お待ちかねのテイスティングです。 ・『勝沼のあわ 2011』 メルシャン(株)は「甲州」から造られたスパークリングワインです。涼しげに立ち上がる細かい泡。優しい口当たりでハーブなどを感じる爽やかな味わいのワインです。これから夏に向けて飲みたいワインですね。この「勝沼のあわ」は、本格的なスパークリングワインのコルクを使用しているので、ここで真杉さんから、抜栓の方法を教えていただきました。皆さんの注目の中、静かにコルクが抜けた時には思わず拍手があがりました。 ・2番目のワインは、「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香 2011」です。 皆さんのグラスにワインを注いで回っていても、香りが華やかに立ち上がってくるのを感じます。グレープフルーツなど柑橘系の果実の香りや黄色いお花やハーブの香りなど、香りのボリュームが大きくとても華やかです。又、ミネラルや軽い苦みが旨味に変わり、丁度この季節の春の山菜料理と合わせて飲みたいワインです。 先ほど真杉さんから、「甲州きいろ香」をめぐる、栽培〜ボルドー大学の富永教授のお話〜名前の由来の『きいろ』という青い鳥のお話などを聞いたばかりですので、皆さん心して味わっているようでした。 ワインにまつわる物語を知ると、そのワインに対する思い入れがいっそう深まってきます。これもワインの素晴らしいところだと思います。 ここでハプニング! 真杉さんから素敵なプレゼント「シャトー・メルシャン 甲州 グリ・ド・グリ 2011」をいただきました。本日の参加者の中にもこの「グリ・グリ」のファンが何人もいて大喜び。甲州ぶどうを果皮や種まで使って、甲州のもつ潜在能力を最大限に引き出したワイン。通常の甲州より色も濃く味わいも複雑で、骨太なボリュームのあるワインです。 ここまで、甲州ぶどうの持つ魅力でもあります色々なタイプの甲州ワインを飲み比べてきました。素晴らしかったです!! 最後に赤ワインの「メルシャン日本の地ワイン 山梨県国中地域収穫 マスカット・ベリーA 2009」を味わいました。ストロベリーやブルーベリーなどの香りと上品な樽の香り。豊かな果実味と優しい酸、又、細かなタンニンがきれいに溶け込んで一体となり、心地良い味わいとなっています。気楽に飲めるので、「また飲みたい、毎日の晩酌に飲みたい」と思わせるワインです。 今日テイスティングしたのは、沢山あるメルシャンワインの中のほんの一部のワインでしたが、真杉さんのお話を聞きながら素晴らしいワインを味わうことが出来て、幸せなひとときでした。参加した皆さんの心に、メルシャンワインの『ワイン造りに掛ける想い』がしっかりと届いたと思います。ご尽力いただいたメルシャン(株)の真杉様、有難うございました。 篠原 |