かつぬま朝市ワインセミナーレポート
第68回 2014.11.2





参加者  県外17名  県内6名  計23名
講師  篠原シニアワインエキスパート



ゲスト  相川園&ワインノミナー 代表  相川 様



アシスタント  深澤さん、尚枝さん



ワインリスト
・デラウェアー辛口 2014 (株)シャトレーゼ・ベルフォーレワイナリー勝沼ワイナリー
・ルバイヤート 甲州 シュール・リー 2013 丸藤葡萄酒工業(株)
・ハラモ アジロン 2014 原茂ワイン(株) 
・マルサン ベリーA 百 2013 (有)マルサン葡萄酒



セミナーの内容
1 本日のテーマ「とことんワインを楽しもう!!」
2 テイスティングワインについて
3 テイスティングの方法
4 本日のゲスト 相川園&ワインノミナー 代表 相川 様の紹介

レポート  勝沼の秋は美しい。豊かな実りとともに、木々の紅葉が町中を彩っています。特に今年のぶどうの紅葉はあざやかで、赤、黄、オレンジ、緑とさまざまな色で私達を楽しませてくれています。
我が家の甲州ぶどうも10月24日に切り込み、無事にワイナリーへ届けることが出来ました。おいしいワインに姿を変えて皆さんにお目見えするのが楽しみです。

11月の朝市は、昨晩までの雨も何とか回復するだろうとの天気予報に期待して、沢山のお店と大勢のお客様で、早くからにぎわっています。我がワインセミナーも思い切ってテントの布をはずして、青空の下、オープンテラスで開催する事にしました。

特に今回は、勝沼CATVが、朝市の様子やワインセミナーを撮影しています。参加者の皆さんのとびっきりの笑顔を映して貰えるようにと、オープン前の準備を急ぎます。


ちょうどそこへ、毎回ボランティアでお手伝いしてくださっている深澤さんご夫妻が到着しました。ゲストの相川さんやお客様も続々とやって来てくれました。徐々に緊張感が高まります。すがすがしい朝の空気の中で、さあ今シーズン最後のワインセミナーのスタートです。

今回のテーマは「とことんワインを楽しもう!!」です。

早速本日のゲストの紹介です。
ゲストの相川さんは、いつもはこのかつぬま朝市で、「相川園」さんと「ワインノミナー」さんをやっていらっしゃる朝市仲間です。趣味のワイン好きが高じて、日本ソムリエ協会のワインエキスパートの資格をお持ちの方で、このワインセミナーには、2度目
のご出演です。

折角のワインエキスパート2人のコラボですから、今回はいつものセミナーとはちょっと違ったワインの楽しみ方をみなさんにお伝えしようと、2人の意見が一致しました。


そこで、まず、本日のワインの紹介ですが・・・
「これが、これからテイスティングするワインです。」と言って、ワインを覆っていたクロスをはずすと、皆さんから「エー?」とか、「なに?コレ!」とか声が飛び出します。

いつもなら、エチケットの見えるボトルがきちんと試飲する順番に並んでいるのですが、今回はすべてアルミホイルで包んであります。そうです!このセミナー初めての、ブラインドテイスティングなのです。皆さんのお手元には、1〜4の番号がついた○が4つ
書かれた白い紙と、順不同のワインリストが配られています。

まず2種類の白ワインのボトルが回り、各自で一定量のワインをグラスに注ぎます。リピーターの方は、ボトルを待っている間に、ワインリストから白ワインを見つけ出し見当をつけているようですね。全員にワインが行き渡ったところで、自己流で一度テイスティングをしてもらいました。そして次にゲストの相川さんから本格的なテイスティングの方法を教えていただき、また味わいのヒントをいただきました。
「こっちの方が色が濃いね」とか「甘い香りだけれど、甘くない。」とか皆さんなかなか良いところを突いてきます。


「色の違いは、ぶどう品種の違いとか、またヴィンテージによっても違いますね。また甘い香りは、ぶどうそのものからくる香りです。」と相川さん。
ここで皆さんに一斉にワイン名を答えてもらいました。当たった方には1ポイントあげることにします。
最初のワインは「甲州シュールリー」、2番目のワインは「デラウエアー」の声が大勢を占めます。ほとんどの方が当たりです。(ちょっとヒントが甘かったかな?)

テイスティングコメントです。
@ルバイヤート 甲州 シュール・リー 2013  丸藤葡萄酒工業(株)
エッジにわずかにグリーンが見える淡いレモンイエロー。みかんなど日本の柑橘の香り。酵母、イーストやミネラルの香り。アタックはさわやか。豊かな果実味としっかりした酸のバランスが良い。中盤から後半にかけて軽い旨味を伴う苦みと塩味を感じる。若々しいが、まろやかな味わいの辛口白ワイン。
Aデラウエアー 辛口 2014 (株)シャトレーゼ ベルフォーレワイナリー ・勝沼ワイナリー
クリーンで輝きのある、ほぼ透明に近い色合い。アカシヤなどの白いお花の香り。りんご、洋梨、白桃などのフルーツの甘い香りが立ち上がる。アタックはフレッシュ。若々しい果実味、程良い酸と塩味、それぞれが若々しく主張している。フレッシュでフルーティーな、すっきりとした辛口白ワイン。ここで、この2本のワインを飲む場合の順番を皆さんと考えてみました。最初にフレッシュなデラウエアー、次に少し落ち着いた味わいの甲州シュール・リーの順に飲むと、それぞれのワインの良さが感じられることがわかりました。当たった方は、1ポイントゲットです。



同じようにして、今度は赤ワインのブラインドテイスティングです。3番目、4番目のワインを各自で注ぎます。3番のワインは、若々しいローズ(赤紫)色で、いちごのような甘酸っぱい香りですが、それに比べて4番のワインは落ち着いた暗い紫色で、複数の香りが出てきます。タンニンは、Cの方が強く、全体的に凝縮感があります。

参加者のみなさんから、アジロンとかベーリーAの声が掛かります。そこで相川さんと一緒に確認のテイスティングと飲む順番を考えます。こちらの方が少し難しかったようで、当たった方は白ワインの時より少なめでした。


テイスティングコメントです。
B エッジに紫の見える、クリーンで可愛らしい淡いローズ色。ストロベリー、チェリー、いちごキャンディのようなぶどう由来の香りが華やかに立ち上がります。
フレッシュでソフトな口当たり、豊かな果実の風味とおだやかな酸、軽いタンニンのバランスが非常に良い。口一杯に甘酸っぱい果実をほうばったそんなイメージの、溌剌としたチャーミングなライトボディーの赤ワインです。              
C Bに比べると落ち着いた色合いの暗い紫色。いちご、ブルーベリー、綿菓子の様な甘さを連想させる香り。赤や黒いバラの花の香りも。アタックはやや重い。たっぷりの果実味と溶け込んでいる酸、果皮からくるタンニンと果実の凝縮感を感じる。アフターに果実由来の甘い香りが戻ってくる。しっかりとした味わいの、ミディアムボディーの赤ワインです。

赤ワインの飲む順番は、やはり若々しいアジロンが先で、落ち着いたマスカットべーりーAが後ということになりました。

4種類のワインのテイスティングが終わりました。テーブルの白い紙の○印にすべてワインがおさまったところで、今度はアルコール度数の比較です。
どれが低くてどれが高い?
デラウエアー       11.5%
甲州シュール・リー    12.5% 
アジロンダック      12.0% 
マスカット ベーリーA  12.0%  
わーわー、きゃーきゃー、歓声が上がります。アルコール度数は、皆さんの予想に反して甲州が最も高く、デラウエアーが最も低い結果となりました。
ここで一息つきましょう。

休憩の後はゲームです。スタッフ以外の全員の方に目をつむってもらいます。大急ぎで皆に同じ番号のグラスを渡します。目をつむったまま味わって、何のワインか一斉に答えを言ってもらいます。
目を開けてテーブルに残ったワインを見ると?ワーと声が上がります。

答えはかなりバラバラでした。
相川さんから、プロの方でも目をつむると赤ワインと白ワインを間違えることがありますと、なぐさめの言葉がありました。そしてプロがテイスティングの勉強に使っているといわれる、黒いワイングラスをみせていただきました。

皆さんからの再度リベンジの声に、もう1度目をつむってテイスティングです。今回は、皆さんだいぶ慣れてきたようで、正解者も増えてきました。

ここで皆さんのポイントもたまってきたようですので、ポイントの確認です。全問正解は8ポイントですが、残念ながら該当者無しです。1問のみ間違えた7ポイントの方が3人もいらっしゃいました。素晴らしいです!!

この3人の方にご褒美をあげたいとおもいます。さあご褒美は何でしょうか?

実はこの勝沼がある甲州市では、今年9月に通称「甲州ワインで乾杯条例」が制定されました。日常の様々なシーンで、甲州ワインを楽しもうという趣旨ですが、早速この条例をお祝いして、トップ3名の方にひとりひとり乾杯の音頭をとってもらうご褒美をあげることにしました。


「甲州ワイン大好き!!」「かんぱい!!」。「甲州ワイン最高!!」「カンパーイ!!」だんだんエスカレートしていきます。「甲州ワイン世界一!!」「乾杯!!」。
3人が音頭をとってくれる度に、大きな拍手が上がります。参加者の皆さん大変盛り上げてくださって本当に有難うございました。トップ3人の気分も最高だったと思います。

ワインセミナーも絶好調に達した頃、そろそろ終わりの時間になりました。
最後に相川さんから、ワイン関係の各種イベントのお知らせと、この楽しい時間を一緒に過ごせた皆様へのお礼の言葉がありました。

相川さんと私篠原のコラボで、初めてのブラインドテイスティングでしたが、予想を上回る盛り上がりで、終始、歓声と笑い声と拍手が続いていた楽しいワインセミナーでした。

相川さん、お店をお友達に頼んでのご出演、本当に有難うございました。またお互いに協力して、ワインの楽しさを大勢の方に伝えていきましょうね。



 さて、今シーズン最後の「かつぬま朝市ワインセミナー」も無事に終了しました。次回は、来年4月5日です。ゲストさんは、皆さんお馴染みの「あの方」です。
もう今から、どんな楽しい内容にしようかと、秘策を練っているようです。どうぞお楽しみに!!!

それでは皆様、来年も良いお年でありますように。「乾杯!!!」。  篠原