第33回かつぬま朝市ワインセミナーレポート by篠原シニアエキスパート
20100704



参加者
県外8名、県内5名、計13名

講師
大山ソムリエ・篠原シニアワインエキスパート
アシスタント
のぶ子さん

ワインリスト
1、甲州ヴィンテージ2006 勝沼醸造()
2、甲州樽醗酵   2009  木下商事潟Vャトー酒折ワイナリー
3、ソレイユ ルージュ・クサカベンヌ 2009  旭洋酒(有)

料理
1、カリフラワーのピクルス
2、お刺身コンニャク+甘味噌
3、季節の野菜
4、えっ!なにこれ?サンド  その1


セミナーの内容
1、甲州ぶどうのお話
2、甲州種ワインのお話
3、ワインテイスティング
4、新田商店さんのお話

レポート
連日雨が降ったり止んだりしています。でも我が家のぶどうは着実に成長していますよ。ワイン用甲州ぶどうの一粒の大きさが直径1cm位になりました。まだ固くてきれいな緑色です。これからまだ大きくなり徐々に色が付いてきます。

7月の朝市は、またもや朝市マジック全開でした。早朝まで降っていた雨も、開始時間にはピタっと止んでお日様ピカピカに。気温もぐんぐん上昇しました。                               

今回のセミナーは、梅雨の真っ只中で出足が心配されましたが、朝市会長の粋な計らいで、いつもは参加出来ない朝市出店者さんにも呼びかけをして参加していただきました。地元在住の出店者さんは、甲州種ワインの由来は何となく知っていたが、大山ソムリエのお話を聞いて再確認できましたと語っていました。                            
セミナーの内容は、大山ソムリエによる、甲州ぶどうと甲州種ワインのお話、それからハウスワインの「甲州ヴィンテージ2006」を飲みながら、テイスティングの方法を練習しました。                     

引き続いて、本日のゲスト新田さんの登場です。新田さんは、勝沼で、ワイン、お酒、お米などを扱う新田商店さんの代表です。ワインアドバイザーをはじめ、各種の資格を持ち、ワインについての深い知識と優しい人柄で人気があり、あちらこちらで引っ張りだこで、非常にお忙しい方です。    

新田さんからは、ワインの最新情報をお聞きし、その後、おすすめの白、赤2本のワインをテイスティングしました。                 

先ず最初は白ワインで、「甲州樽醗酵 2009」(木下商事()シャトー酒折ワイナリー)です。山梨県内3地区の畑から収穫した、それぞれに特徴の違う甲州ぶどうを使い、フレンチオークの小樽醗酵後、約2か月間の樽熟成を経て造られたワインです。柑橘系の香りの中にほのかに漂う上品なタルの香り。香りに合った優しいまろやかな味わい。酸も果実味も仲良く手をつなぎながらもそれぞれの存在をアピールしています。飲み終わった後、口の中がさわやかな果実味で満たされ、心地よく食欲へとつないでくれるワインです。   

赤ワインは、「ソレイユ ルージュ・クサカベンヌ 2009」(旭洋酒(有))です。 
2002年からご夫婦2人でワイン造りを始められたワイナリーですが、その実力は多くのワイン好きが認めるところです。山梨市日下部(くさかべ)地区のマスカットベリーAを100%使用し、独自の工夫を取り入れたマセラシオン・カルボニック法(皆さんおなじみのボージョレ・ヌーヴォーを造る醸造法で、香りや色が良く出てフレッシュでフルーティーな味わいになる)で醸造され、その後樽で6か月間熟成されて造られています。  

スカットベリーA種のぶどうの持つイチゴやキャンディーなどの甘い香りと、醸造過程で出てくると思われるシナモンやバナナの香りなど香りの種類も豊かで華やかです。特にシナモンの香りには驚かされます。渋み(タンニン)も香りにそっと寄り添うように控えめで、フレッシュでいながらも落ち着いた味わいです。

ワインに合うおつまみとして、試食を提案していますが、今回は、特にサプライズで、朝市出店者の沼津の魚屋さん「金竜丸」さんが、試食として焼きサバを差し入れてくれました。そこで早速、パンにスライスした玉ネギと焼きサバをはさみ、レモンをふりかけてパクリ。そして甲州を飲む。これが不思議、なかなか良い組み合わせでした。また、油の乗った魚の焦げたところとマスカットベリーAも良く合いますと、新田さんから教えていただきました。                                 
思いがけない梅雨の晴れ間で、気持ちも晴れ晴れ。美味しいワインも入り、すっかり気分が良くなった皆さん。大山ソムリエや新田さんに次々と質問をしたり、仲良く合唱もしたりして、とても打ちとけたなごやかなワインセミナーでした。