各人受難の日
3月朝市前夜、朝市の支度を終え、小澤氏の車で野菜の仕入れに中道町の小澤氏の知り合いの民家に行った。玄関にむかった小澤氏のあとをなにやら灰色の物体が追ったと思ったら小澤氏の叫び声「わああー!」と同時に「ワン!ワン!」番犬である。

小澤氏は玄関の前にたどり着いたものの施錠された戸は開かず番犬くんに3度も足とお尻を噛み付かれてしまった。なだめようとするもののガブリ!「うわあああ」やがて戸が開き小澤氏は逃げ場を得た。

私は小澤氏の仕返しをと思い、鎖がこちらに届かないであろうと思われる所ぎりぎりまで前進し「なんでえ!このやろう!」と威嚇のポーズをとった。すると凶暴な面をさげてこちらに向かってきた。「やべ」と思いつつも鎖がいつ彼を止めるのか様子を見ているといっこうに鎖は張らない。どんどんこちらに近づいてくる。「んん??」ふと上を見ると私のかなり後方まで鎖がつながれている針金が走っている。

ということは・・・・「やべ!逃げろ!」と振り向いて2・3歩走り出したとたん、勢いあまって転んでしまった。幸い噛みつかれはしなかったが玄関からちょうどでてきた小澤氏に目撃をされ、笑われた。

10本の大根と1kgのブロッコリーのために小澤氏と私はすっかり犬嫌いになってしまった。

同じ日、朝市会の甘利氏も階段から落ちたらしい。幸い大事には至らなかったようだが若かりしころ腕を鳴らした柔道の受身を見事にコンクリート上でやってのけたそうだ。

各人受難の前日であった。
●平成17年5月
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